清雅堂 鎚起銅器
手作り銅器「ぐい呑み」生地色
硫黄水溶液で銅の地を黒くした後に黒色を磨き落とし、煮色液でさっと煮込みます。
鎚目の深い部分には磨き落とせない黒色がうっすらと影のように残る、銅器のらしいシンプルで美しい色味になります。
ご購入前に必ずお読みください。
※全て手作りのため、お品により多少趣きが異なります。色味や形などは実物と違いのないよう、出来る限り同じ様に作りますが、一点一点が職人による手作業のため、鎚目(つちめ)模様や色味が若干異なる場合がございますことをご了承ください。
※また、実店舗販売と在庫を共有しているため、ご購入のタイミングにより品切れとなる場合があります。その際は納期1ヶ月?2ヶ月程掛かってしまう場合もございます。また、在庫以上のご注文をご希望の場合は、ご注文後に制作となるため、2ヶ月~3ヶ月程お待ちいただいております。商品の仕様や納期についてはお気軽にお問い合わせください。
清雅堂 鎚起銅器 硫黄水溶液で銅の地を黒くした後に黒色を磨き落とし、煮色液でさっと煮込みます。 鎚目の深い部分には磨き落とせない黒色がうっすらと影のように残る、銅器のらしいシンプルで美しい色味になります。 発色について ステンレスの電解発色やチタンの陽極酸化発色のように色相の綺麗な色を自由に発色することは難しいですが、銅にも昔から受け継がれた趣きと深みのある発色(誘色)方法が様々にございます。 おそらくこれだけの種類の発色をできるのは日本独自の技術であり、その中でも新潟の鎚起銅器は群を抜いて多くのな発色技術を持っています。 銅の発色とは銅の表面を酸化させる、つまり人工的に錆びさせることです。長い年月を経ることで、発色させた色は徐々に変化します。錆びが進行するのです。しかし湿気を避け、乾いた綿の布で表面を撫でてあげていると銅の色はより深く趣ある色に変化していきます。上記のことをご注意いただければ、末永く鎚起銅器をお楽しみいただけます。 清雅堂(せいがどう) 清雅堂は、1945年の戦後間もなく初代・西片巳則氏によって創業されました。 巳則氏は彫金師として燕市で修業し、生家のあった分水町(現燕市)にて独立、1991年には二代目・正氏により弥彦村の弥彦山山麓に工房を移設し、鍛金(たんきん)、鎚起(ついき)の伝統技法による手作りで銅器の製造をされております。
「鎚起銅器」と言えば、金物の産地である新潟県の伝統工芸品として国内のみならず、海外でも広く知られております。 清雅堂では、銅を用いた製品を主軸とし、昔から人気の高い銀や、日本酒との相性が抜群に良いとされる錫も取り扱っており、現在は、二代目当主・正氏と長男・亮太氏、次男・浩氏の三人で製作に当たっておられます。 越後鎚起の起源 明和年間(1764?1771)、新潟県の日本海側中央部に位置する弥彦山に間瀬銅山があり、産出された銅の製錬が隣町の燕で行われていました。その頃、鎚起銅器の技術が仙台の藤七という職人に伝えられ、鍋や薬缶、煙管などの製造が始まったとされています。それから二百数十年、越後鎚起は日常品銅器から工芸品へと幾多の時代と生活様式の変遷を経ながら伝承技術として育まれてきました。 鎚起の技術 古くから金・銀・銅・錫などの耐蝕・加工性に優れた金属は、美術工芸品に用いられてきました。「鎚起」とは鎚(つち)で素材を打ち起こすという意味で、金属を叩いて加工する技法の事を指します。鎚起は一枚の金属素材を様々な鎚と当て金を使い、打ち延べ、打ち縮めて製品を作る伝統技術です。金属は叩き続けると硬化するため、その度に焼き鈍(なま)し、火炉で真っ赤になるまで熱したのち、再び軟らかくしてから目的のかたちになるまで叩き、この作業を交互に繰り返して成形していきます。この鎚起は鍛金の一種であり、さらに成形後の金属の表面に打出し・片切彫り・象嵌(ぞうがん)などの装飾を施す技術を彫金と呼びます。鎚目(つちめ)模様で表面を整えた後、緑青(ろくしょう)と硫酸銅を合わせた液で煮込み着色を施し、質感や色味を整えます。 鎚起銅器は、大切に使い続ければ半永久的に使え、また年月を経て風合いが変化をしていく味わい深いものに仕上がっています。実用性の高さと機能美に優れており、贈り物としても非常に喜ばれる工芸品となっています。 鎚起銅器のお手入れ方法 鎚起銅器製品のお手入れで一番大事なことは、しっかりと水分と手油を拭き取ってから保管することです。 鎚起銅器の特徴のひとつに挙げられるのが、さまざまな色に発色した表面処理です。これらは塗料を塗ったものではなく、薬品によって酸化させた云わば錆の色です。銅を放っておくと次第に黒くなり、いずれは緑青がふきます。(自然にふいた緑青には毒性はありません)それと同じく鎚起銅器の製品の発色も長い年月で徐々に変色していくのは避けられません。
しかし手入れをきちんとしてあげれば、程よい趣ある色合いに変わっていきます。この様な色は新品では出すことのできない色です。色の変化を楽しむことも含め、末永く鎚起銅器をご愛用いただければ嬉しいです。
手作り銅器「ぐい呑み」生地色